ChatGPTを活用する方法: 情報とタスクの効果的な指定方法

ChatGPTのWebインターフェイスは質問を入力するための入力欄があるだけです。あるテキスト(情報)に基づいて何かを実行させたいときに専用の入力欄があるというインターフェイスにはなっていません。

では、どのように指定したら良いのでしょうか?

目次

情報とタスクを指定する方法

ChatGPTの入力欄では改行ができないのでテキストエディタやメモ帳などで、次のような書式でテキストを作成します。

内容:
ChatGPTに与える情報などを書く。
複数行になっても良い。

タスク: 
上記の内容に基づいて、○○を行ってください。

テキストを作成したら、ChatGPTのチャット欄に貼り付けて送信します。

ChatGPTは「内容」に書かれた情報を理解して、「タスク」に書かれた命令を実行します。

具体例

いくつか具体例を紹介します。

ブログのタイトルを作成する

ChatGPTを使ってブログの記事のタイトルを作成するには、ブログの本文や見出しを内容として与えて、タスクでタイトルを作成するように指示します。

例えば、次のブログの記事はChatGPTにタイトルを作ってもらいました。

ChatGPTに指定可能な文字数には制限があるので、長い記事の全文を与えることはできません。

上記の記事ではGPT-4を使って、冒頭の部分のテキストと大見出しを箇条書きで与えました。次のようなテキストをChatGPTに質問として指定しました。

内容:
ChatGPTはOpenAIによって開発された大規模な自然言語処理AIです。言語に関する様々な質問やタスクに関して応答することできるサービスです。チャット形式でAIと対話的にやりとりができるサービスになっています。

最近、テレビや新聞などでも取りあげられていてトレンドになっているように思われます。

私も最初は無料版から使ってみるととても面白く、本当に誰かと対話しているような感じがしてきて時間を忘れて没頭してしまいました。

まだ、使い始めて日が浅いのですが、今感じる雑感を記録に残します。

- 有料版と無料版
- 情報の正確性と付き合い方
- 言語モデルの選択について
- AIに手伝ってもらう

タスク:
この内容に基づいて、タイトルを作成してください。

これに対するChatGPTの回答は次のようになりました。

タイトル(日本語):
ChatGPT体験記: AIとの対話で学ぶ新たな可能性

タイトル(英語):
My ChatGPT Experience: Exploring New Possibilities Through AI Conversations

日本語と英語のタイトルが両方作成されました。同じスレッドで別のタスクで日本語と英語のタイトルを両方作成するように指示していたので、ここで改めて指定しなくても日英のタイトルが作成されました。

ChatGPTは同じスレッドの中では文脈(コンテキスト)に沿った回答が行われることが分かります。

文書の解釈を尋ねる

この記事ではChatGPTの回答結果を掲載しています。これが著作権上は引用にあたるので問題ないと思うのですが、念のため規約を確認しました。2023年4月24日時点でのChatGPTの利用規約で該当する部分を内容として与えて、ブログで利用することは許可されているかを次のように質問しました。

内容:
(a)お客様のコンテンツ。お客様は、本サービスにインプット(以下「インプット」といいます)を提供し、インプットに基づいて本サービスが生成・返却するアウトプット(以下「アウトプット」といいます)を受け取ることができます。インプットおよびアウトプットは、総称して "コンテンツ "です。当事者間において、また適用される法律で許可される範囲において、お客様はすべてのインプットを所有します。お客様が本規約を遵守することを条件として、OpenAIは、ここに、Outputに関するすべての権利、権原および権益をお客様に譲渡します。つまり、お客様は、本規約を遵守すれば、販売や出版などの商業目的を含め、いかなる目的でもコンテンツを使用することができます。OpenAIは、本サービスの提供および維持、適用される法律の遵守、および当社のポリシーの執行のためにコンテンツを使用することがあります。お客様は、コンテンツが適用される法律または本規約に違反していないことを確認することを含め、コンテンツについて責任を負います。

タスク:
この内容はアウトプットを利用者がブログなどで利用することを許可しているか回答してください。

このときに使用したのはGPT-3.5です。次のような回答が返ってきました。

はい、この内容はアウトプットを利用者が商業目的を含め、いかなる目的でも使用することを許可しています。したがって、利用者がブログなどでアウトプットを使用することが許可されています。ただし、利用者は適用される法律や本規約に違反していないことを確認する責任があります。また、OpenAIはコンテンツを使用することがありますが、この使用には制限があるため、利用者はこの点にも注意する必要があります。

自分自身でも問題ないと解釈したのですが、念のためChatGPTにも解釈を尋ねると問題ないことが確認できました。

まとめ

このように単純なテキストでも構造的に書くとChatGPTはそれを理解します。それを応用して与える情報と実行させたいことを伝えることができます。この書き方を工夫するというやり方は色々な応用ができると思います。

また、ChatGPT自身はこの記事執筆時点では2021年9月までの情報しか持っていません。しかし、このように内容を指定することでそれ以降の最新の情報を与えて、それに対する解釈を尋ねるということができます。

著書紹介

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この記事を書いた人

Akira Hayashi (林 晃)のアバター Akira Hayashi (林 晃) Representative(代表), Software Engineer(ソフトウェアエンジニア)

アールケー開発代表。Appleプラットフォーム向けの開発を専門としているソフトウェアエンジニア。ソフトウェアの受託開発、技術書執筆、技術指導・セミナー講師。note, Medium, LinkedIn
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Representative of RK Kaihatsu. Software Engineer Specializing in Development for the Apple Platform. Specializing in contract software development, technical writing, and serving as a tech workshop lecturer. note, Medium, LinkedIn

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